10月6

高知の熱いおもてなし 

世界一周中に中国で出会った野村さんと高知県IYEO(青年国際交流機構)の「はちきん」に熱く迎えられた。「はちきん」とは「男勝り」という意味らしく、土佐の女性を象徴する言葉だそうだ。酒が強く、気も強く仕事もバリバリやるイメージ。女性の社会進出率は他の都道府県に比べるとダントツに高いそうだ。

高知には「さわち」という料理がある。大皿にたくさんのご馳走を盛った料理のことだが、これは女性が料理を出すためにいちいち席を立たなくてもいいように考え出されたという。つまり「飲み」に専念出来るのである。高知到着の歓迎会で、お酒を飲まない僕は「はちきん」に圧倒された。

よく芝居が行われるという高知市内の「薫的座」での講演会。野村さんとIYEOが中心に「タッツー会」を発足、準備を重ねてくれていた。新聞、ラジオ、学校、自転車屋さん、パン屋さん、アトリエ……あらゆるネットワークを駆使して告知をし、協力を得てくれていた。みんな仕事をしながら時間を割いて感動的に動き回ってくれていた(中には講演前の歓迎アトラクションとしてインド舞踊を習っていた人もいた!)

講演当日、会場にはベトナム、インド、ラオス、インドネシア、「はちきん」たちはみんなそれぞれ美しい民族衣装を身にまとっている。これはこれで素敵なのだが、なんだなんだ?これでは今日も「はちきん」にやられてしまう。気負いすぎて、この日は丸々2時間も喋り続けてしまった。最後、美しいアオザイ姿の有澤さんにぐっとくる「閉めのお言葉」をいただき、やっぱり「はちきん」にはかなわなかった。

講演前、普段講演会場では見かけない恐いにいちゃんが一番前に座っていた。僕は彼が暴れ出すとヤバイと思って誰か確認すると、みんな「わからない」「知らない」と言う。が、入り口で一万円札を出して『やった。』を一冊購入し、何とお釣をすべて寄付してくれたという。一体誰だろう。講演中、じーっと動かずに聞いていた。最後まで残ってくれたので話をすると、「ゆず庵」というオムライスで有名なレストランのオーナーだった。思い立って急に東京まで普通の自転車で13日間かけて走ったという。まだ赤ちゃんの彼の子どもへ「目指せ世界一周、自転車で!」と本に書かせてもらった(笑)。講演をさせてもらうようになってから本当にいろんな人と出会うようになった。

翌7日は高知市一宮東小学校。道順がわからなくなり、約束の時間が過ぎてしまった。打ち合わせやプロジェクターのセッティングがあるのであせる。信号待ちをしていた自転車のおばちゃんに道を訪ねると「一宮東小学校に行くがですか?」と買い物途中にもかかわらず親切に学校の前まで案内してくれた。おかげで何とか準備も間に合った。ここまでしてくれる人は滅多にいないので感激だ。さすが「はちきん」である。

講演後の子どもたちは「100円あげる!」「鉛筆あげる!」と応援してくれ、自転車に飛び乗ってきた。素朴で熱い人間が多く、心温まる高知滞在であった。口をそろえて「高知はどうですか?」と聞いてくれるあたりに彼らの土地に対するこだわりを感じる。素晴らしい文化を持った人たち、豊かな自然の国である。

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