7月28

小学校の時、家族で来たなつかしい蓼科牧場だ。思えばあの頃から父親にテントの張り方、薪の積み方、お米の炊き方、山での心構えなどを教えてもらっていた。今回は女神湖の少し上にあるキャンプ場でテントを張り(300円)、霧ケ峰ビーナスラインで満開のニッコウキスゲを写真に収め、松本市へ下った。涼しい高原から熱気に包まれて行くようだった。

松本では世界一周当時、在ラオス日本領事館で働いていた小沢さんの親戚宅にお世話になった。数年前まで牛を飼っていた当時のサイロを目印に、大きな農家に辿り着いた。僕より5歳も若い、小沢さんのお姉さんの旦那が笑顔で迎えてくれた。

この季節はレタスの出荷が忙しく、毎朝4時から畑に出ているという。僕は犬の散歩の手伝いをした。若い「まめ」と大きくて年寄りの「ベル」。「まめ」は一週間ぶりの散歩(!)ということで大はしゃぎ。小さいながらも力が強く、田んぼに入ろうとしたり水路に飛びこんだり。夕焼け空を見上げながら戻ると、庭で大バーベキュー大会の準備が整っていた!

なんと小沢さん本人も翌日の休暇を取って東京から駆けつけてくれた。お姉さんの職場の自転車好き青年もケーキを持って登場し、旦那さんの妹も帰省してきて実に賑やかであった。走っていると肉がうまい。デザートには庭の桃をもいでそのままいただいた。最高だ。

農家の彼らは「うちらみたいな田舎に世界を回った人が来てくれるなんてありがたい」とお世辞を言ってくれるが、僕にしてみればよそ者を歓迎し、どこよりも自分の住んでいる土地を愛し、地域の活動に参加する誇り高い彼らを心から敬う。以前は中国人留学生を自宅に受け入れ、留学生仲間をも集めて面倒を見ていたという。こういう人たちが日本にいてくれるおかげで、僕は世界中で温かく受け入れてもらうことができたのだ。

翌朝起きると食堂に大盛りの朝ごはんが用意されており、一人でおいしくいただいてそのまま寿台へ講演に向かった。メディアでは日本の悪いところばかりが流されているが、僕にはこの国が素晴らしい国に思えてならない。