8月25

「この夏、僕らの大冒険!!チャレンジ!世界一周『旅』物語」
奈良市中央公民館で自転車を紹介しながら、小さい子から大人までを前に話させてもらう。今回はボランティアで手話通訳・要約筆記の方がついてくれている。本当にいろんな人に支えられて伝える機会を頂戴している。

講演前、大阪の某高校の先生が挨拶に来てくださった。
「坂本さんの本を、学校の教科書として使うことにしました」
「私の本を、教科書に、ですか!?」
僕は驚いて少し高い声で聞き返した。
「選択の授業で後期から使うんです。すでに注文しましたよ!」
なんということだ。学校の教科書として……。確か地理の授業とおっしゃっていたと思う。俄然やる気が沸いてきた!!(無かったわけではない。念のため)

今度は中学生の娘さんを連れた女性が親しげに話しかけてきた。
「おととい偶然ホームページを見て今日の講演を知ったのよ!それも本当は仕事があったのに急にキャンセルになって」
うーん、誰だか思い出せない(失礼!)。確かにどこかでお会いしているのだが……。話しているうち、4年前にイスラマバード(パキスタン)で数時間だけお会いした松下電器のUさんの奥様だとわかった!娘さんもすっかり大きくなって全くわからなかった。

当時パキスタンのクエッタという街で、僕はひどい細菌性の下痢になって5日間フラフラで動けなくなっていた。細菌性の下痢は発熱を伴い、20分おきに行くトイレでは体力が水状の便と共に流れていく。食欲は無くなり、炎天下に出ると5分ともたない。昼間は暑さで寝入ることができず、薬局の薬は副作用が怖くて精神的にもまいっていた。そんなとき現地のパナソニック・サービスセンターの家族に面倒を見てもらっていた(『やった。』をお持ちの方は120ページ、真ん中の写真です)。胃に優しい手料理や果物を差し入れてくれ、病気が回復してくると家によんでくれたりドライブに連れて行ってくれたり、おそろいの服をくれたりと家族のように接してくれた。異国で信頼できる人がいるというのは本当にありがたい、そう感じていた……。その人たちを紹介してくれたのがUさんだったのだ!

後日、Uさんの奥様からお便りを頂戴した。
「『やった。』読ませてもらい、感動しました。感動して、涙が止まらないところが何ヶ所もありました。私も初めてナイジェリアに住んだ時、淋しくて「庭のアリ」と会話したことを思い出しました。(中略)
9月2日の江坂パタゴニアの講演会には主人と行きます。電話しましたら「満席でキャンセル待ちです」と言われました。奈良からなので、と言いましたら「何とかします」と……。親切に道順まで詳しく教えてくださいました。
最後に、坂本さんの「世界一周、自転車の旅」のルートの一点で、私たちも出会えたことを、今は素直に感謝し、幸福に思います。」

……返す言葉がない。Uさんや臨機応変に対応してくれるパタゴニアに対して、僕は一体何が返せるというのか。地位でも年齢でも性別でもなく、こうしていただく度、「自分はちゃんと生きているか、正しい道を進んでいるか」と自問自答することになる。