9月17

ミキハウス本社

「夢の掛け橋プロジェクト」最大の理解者であるミキハウスの木村社長に経過報告をしたくて大阪府八尾市のミキハウス本社へ。ランチを一緒にとっていただけることになっていたが、来客と取材が長引いて約束の正午に10分も遅刻してしまった。慌てて社長室にすっ飛んでいくと(人事も同じ社長室内なのだが)、社長は手紙をチェックしながら平然と待っておられる。
「お待たせいたしました」
「おっ!たっつあん!ほな行こか」
社長は表情を緩めて立ち上がり、いつもの早足で本社の地下にあるラ・グラスリーというカフェへ向かった。今日はランチをご一緒することになっているのだ。

僕はおいしいオムライスをほおばりながら、北海道から大阪まで約3000キロを走り、学校などで40回以上話をしてきた様子を伝えた。食後、子どもたちの感想文を見せながら、僕は逆に「子どもたちに夢を与えられている」ということを話した。社長は感想文を読みながら、「みんなええ子やな……」「ほんまに素直やな……」を連発している。

「僕はサッカーのプロ選手になるという夢を持っています。坂本さんは小学校5・6年で夢を見つけたそうですが、僕も5年生で自分の夢を見つけました。今までがんばってきて、そして坂本さんの話を聞いて今まで以上の力を出してがんばっていきたいと思いました」「今日の話をきいて、坂本さんの様なずっと夢を追いかける人になりたいし、坂本さんを支えてくれた人達の様に友達の夢も応援できる様な人になりたいと思いました」「やっぱり一人じゃあないんだ、人間って一人じゃあ生きていけないんだと思いました。いつもおなかがすいた時はだれかが作ってくれたり、じゃ口をひねれば水が出てきたりは、あたりまえじゃないんだ……」「何かをしようとした時、いつも不安になり、先の事ばかり考えてしまいなかなか一歩をふみだす事ができないので、自分にすごく腹がたったりします。……自分の事をもっと理解して、自分を好きになって、他人を認められるようになりたいと思いました。後、家族の人にも感謝できるように、あたりまえの事があたりまえにできて、今を一生懸命に大切にしていきたいと思います」「ワールドカップで優勝して、その試合を両親に見せたいです!」……読み終えた時、社長の目には涙がたまっていた。なんて純粋な人なんだ。

「たっつあんのやっている事はほんまに大切な事やで」「勉強ができたって夢がなかったらあかん」「『やった。』ももっと深く掘り下げて書いたらええんや」と社長は励ましてくれる。この人の前にいると「周りの目を気にしている場合ではない。自分の夢をまっすぐに追おう」と心の底から思うことができる。

「子どもに夢を与えるのと儲けは別でっせ」
世間では騒がれるが、木村社長は当たり前のように僕を支援してくれる。
「達が特別な訳やない。うちにはずっと海外遠征で帰ってけえへんテニス部の選手もおるで。アメリカにMBA留学してる奴もおる。学校の先生もちゃんとひとり一人を見て、個性にあった育て方をせなあかん。せやなかったら、達みたいな奴が出てけえへんようになる。せっかく感想文ではみんなええこと書いてるんやから……そのへんもしっかり伝えてや!」

週明けの超多忙な日に、木村社長は1時間以上も時間を割いてくれた。改めて思う。
「人の役に立ちたい。ここまで支援してくれる人がいるなら、どこまででもがんばれる」
大きな波が僕を、追い風が「夢の掛け橋プロジェクト」を後押ししてくれている。