
3年振りのギニア遠征。現地へ渡航する2ヶ月前に大統領宅にロケット弾が撃ち込まれ、1ヶ月前には議会選挙に絡むデモで死者が数人出るような状況でしたが、現地のギニア人や日本大使館と連絡を取りつつ無事に渡航することができました(昨年は渡航日が大統領選挙と重なり、遠征を断念)。
ギニアの3年間と日本の3年間の違いを実感。ドンゴル村では、いつもお世話になる家族の娘が病気で亡くなっており、井戸を完成させた水管理委員会の一人が交通事故で片足を切断、ラベの診療所近くでも多くの人が病気を患ったり亡くなったりしていました。医療の技術、機材、薬などの不足が原因となることが多いそうです。同行したディレクターの種氏は、今回現地で蚊に刺されてマラリアを発症しそうになりましたが、慌てて治療して事なきを得ました。しっかりした治療と薬があれば、多くの健康や命は守られるのです。
一方ギニアでは今年から、妊娠から出産、乳幼児の予防接種に関わる費用は全額国が負担という取り組みも始まっていました(実際は負担させられることもあるそうです…)。
また今年3月、東日本で発生した大震災のことを多くの人が知っていました。シェリフドクターは、「もし状況が大変だったら、タツの家族をギニアに避難させろ。こっちで面倒を見る」と何度も何度も繰り返し心配してくれました。

◎良かった点
・約100平米に6部屋ある診療所は無事完成
・ソーラーパネルにより夜間電気を使うことができる
・課題だったトイレも完成、きれいに使用されていた
・歯を治療するためのドリルを、ソーラーパネルの電気で使用することができる
・薬が以前に比べ多くストックされていた
・研修生を10名も受け入れて指導をしていた
・ベッド、机、顕微鏡、血圧計も揃う
×改善が必要な点
・水道が通っておらず、手を洗う時は外の貯めた雨水や、井戸水を使っている状況
・冷蔵庫がないために冷却保存が必要なワクチンを置くことができない
・患者の記録・記帳が徹底されていない

・予定していた2名のうち1名が在学中
(3年制の医学専門学校 l’ecole de soins de sante communautaire de Labe)
・もう1名は家庭の事情で辞退(入学せず)

・かつて数回故障したが、積立金でポンプのパーツ交換・修理をして大切に使用していた
・管理状態、衛生状態ともに良好

・診療所に関しては、今回資金の最終支払いをしたので水道の配管や仕上げをして終了
・その他、追加の設備(ワクチン保管用冷蔵庫、別棟建設、ベッドなど)に関しては、
現地からの要請・状況に応じて対応
・奨学金支援学生を1〜2名増やし、計2〜3名が学校に通えるようにしたい |